雑誌「クルーズ」に好評連載中の「世界の船旅」CRUISE誌上放映。
2017年8月27日発売の2017年10月号に掲載された内容をご紹介します。
第262話 ぱしふぃっく びいなす
芸術を満喫!「ふれんどしっぷ」で行く ロシア・バレエクルーズ
温かなもてなしが魅力の「ぱしふぃっく びいなす」で、北九州、ロシア・ウラジオ ストクを訪れます。ロシア音楽の演奏、 シベリア鉄道の旅、本場ロシアのバレエ 鑑賞など、ロシアの芸術と歴史を堪能す るクルーズを紹介します。
「ロシアへの愛をこめて」
日ごろロシアにもバレエにも なじみがなく、出発前にガイド ブックを読み込んでロケに臨み ました。
船内ショップに並ぶロ シアグッズを撮影したり、船長 に話を聞いたりしながらも、
いまひとつ「ロシア」というもの を捉えきれずにいました。
しか し、そんな中途半端な思いがウ ラジオストク寄港を目前にして 大きく変わったのです。
きっかけとなったのは、ディ ナー後に披露されたバラライカ で奏でるロシア音楽の調べ。
体 中に異国の音色が染み渡るよう な気がして、私の心をわしづか みにしました。
撮影を失敗しないようにと意識するあまり、ロ シアクルーズを体感して取材することを忘れていたのです。
それからはロシア料理の「ザクースカ」も、ロシアの代表的 な民芸品「マトリョーシカ」も、
急に愛おしく見えてくるから不思議。単純なものです。
さらに ウラジオストクに入港後、歴史 あるシベリア鉄道に乗車し、
優雅なロシアバレエを鑑賞すると もう完全にロシアに魅了されてしまいました。
帰国後、誰彼構わず「マトリョーシカは 19 世紀末に日本から
渡った『入れ子人形』が始まりという説があるのを知ってます か」
「『バラライカ』は楽器の名 前だけじゃなくて、ウォッカの カクテルの名前でもあるんですよ」
とロシアの話題で話しかけ、 マトリョーシカみたいに何度 も同じ話をするんじゃない」と
同僚にあきれられてしまったのでした。
第265話 シルバー・スピリット
世界最高峰!! 6つ星サービスで楽しむ 憧れの地中海クルーズ
セレブリティー御用達、リピーターで満 室が続くという憧れのクルーズライン、 シルバーシー・クルーズで、水の都ベニ スをはじめ、ピレウス、カタコロン、モン テネグロのコトルなど地中海の歴史あ る古代都市と美しい島々をめぐります。
「スパでのまどろみ」
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洗練されたサービスで人気の ラグジュアリー客船「シルバー・ スピリット」。
スタイリッシュ な船内で食事もおいしい。さら に全客室に専属のバトラーが付きます。
ところがこれが困りました。乗客のあらゆる要望に応えてくれるというのですが、
何 を頼んでも大丈夫と言われると 逆にどうしたら良いのか分からなくなる庶民の悲しさ。
上品な 服を着た子供が気軽に何かを頼んでいるのを見かけると、育ちの違いを痛感しました。
そして船内で、これはぜひとおすすめされたのが、770平方メートルの広さと充実した設備を誇るスパ。
ジャクジーやマ ッサージはもちろん、美容室にネイルサロン、鍼治療まで用意された最先端のスパは、
女性客が絶えませんでした。あまりに 気持ち良さそうだったので、
取 材を終えた後、プライベートタ イムに再び訪れてみました。
実際に体験すると、予想以上の心地よさ。
優しいマッサージとアロマの香りで体が芯からリラックスして、
いつの間にか眠 りに落ちてしまったのです。
スパのスタッフは、取材班ということで気を遣ってそのまま眠らせてくれたようで、
気が付くと 1 時間以上経っていました。 「しまった! この後撮影があったんだ!」
と目を覚ました瞬 間に思い出し、お礼もそこそこに客室に戻り
大急ぎで準備をして何とか間に合いましたが、
本当に焦りました。怖いくらい心地良いスパの魅力を実感した瞬間でした。