ギャラリー

「世界の船旅」スタッフこぼれ話 - 2013年01月号


雑誌「クルーズ」に好評連載中の「世界の船旅」CRUISE誌上放映。
2012年11月27日発売の2013年01月号に掲載された内容をご紹介します。

  

白熱のマルディグラ

初めて参加した「マルディグラ」というイベント。謝肉祭の最終日に行われる祝賀行事とのこと。「キリスト教の行事だから、穏やかなミサみたいなものだろう」と思いながら船のアトリウムに向かいました。

会場には時間前から大勢の乗客たち。「撮影? 気をつけてね」と言うクルーの意味深な笑顔が気になりましたが、乗客たちの間で待っていました。時間になって吹き抜けの上層階から司会者が顔を出すと、紫や緑のビーズで出来たネックレスを撒きはじめました。これをつかむと幸せになれると言われているらしく、皆一斉に飛びつきます。その勢いのすごいこと! ネックレスが降ってくるたび、成田山の節分並みに人ごみに押し流されてしまいます。なんとか人ごみを抜け出しまともな映像が撮れましたが、先輩に言われた「ロケに先入観は禁物」という言葉を思い出しました。

牧羊犬ウッシュアイの憂鬱

羊の数が人より多いニュージーランド。広大な牧場で羊を集めて柵に追い込む牧羊犬を取材しました。

合図とともに飛び出した牧羊犬のウッシュアイ君ですが、何が気に入らないのか、羊たちの手前で立ち止まってしまいました。焦る牧場主は﹁ウッシュアイ!走れ!」と叫んで、ひたすら犬笛を吹き続けますがウッシュアイ君はどこ吹く風、羊を追ってくれません。待つこと数十分、ようやくその気になったウッシュアイ君が柵の中へ羊を追い込んだときには、観客から大きな拍手が上がりました。

時間がかかりすぎて出発時間になってしまい、予定していた牧場主へのインタビューは割愛することに。でももし時間があっても、ウッシュアイ君のわがままに落ち込み気味の牧場主に話を聞くのは、ちょっと気が引けたと思います。広い牧場にメーメーという羊の声だけが流れていました。

ミッション・リビエラ?

この客船のシチリア島でのツアーには驚きました。題して「秘密のミッション・ツアー」。食材の名が書かれた封筒と10ユーロを渡さ
れた参加者は自力で食材を探し、購入しなければなりません。前代未聞、乗客に買い物をさせるツアーです。

ツアーの説明を聞いたとき、喜んで参加する人がいるかな、乗客が怒り出したら番組にならないな、と思ったのですが、まったくの取り越し苦労でした。乗客たちは、売り声が飛び交う市場の中をうれしそうに歩き回り、指示された食材を買いこんでいました。もち
ろん映画「ミッション・インポッシブル」のテーマ曲を口ずさみながら。

その後船に戻り、買った食材でシェフとともに珍しいシチリア料理を作ると皆大満足。「自ら探し、作って、食べる。これでミッション・コンプリート」(任務完了)と言っていた乗客のせりふが忘れられません。

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