雑誌「クルーズ」に好評連載中の「世界の船旅」CRUISE誌上放映。
2013年1月28日発売の2013年03月号に掲載された内容をご紹介します。
揺れない大浴場
船長にあいさつした際、「この後の撮影予定は?」「何時ごろどこに行くの?」と細かく聞かれました。乗客に失礼がないか気にしているのかな?と思い、詳細に予定を伝えました。
その後ダイニング、プロムナード、和室と撮影を進め、最後は大浴場です。立ち上る湯気の向こうに水平線が見える、そんなイメージカットを撮影しているときに、カメラマンが気づきました。「揺れないね」。確かに窓外の水平線も湯船のお湯も、全くといっていいほど揺れていません。おかげできれいな映像が撮れたのですが、外国船の大型プールが時に大きく波立つのを見てきただけに、不思議に思いました。
後日船長に聞いたところ、大浴場の撮影に入る時間を見計らって、船が揺れないよう波に対する船の向きを調整してくれていたのです。日本船ならではのサービス精神に感謝しました。
間違い探し?
クルーと別の船で再会することが時々あります。今回の船長は、以前取材した同じ会社の「ロイヤル・クリッパー」の船長と同じ名字だったので、映像で顔を確認してから出発しました。
いざ乗船して船長に会うと、事前確認した通りの穏やかな雰囲気の方。確認した映像ではバグパイプの腕前を披露していたので、その話題から入ったのですが、反応が芳しくありません。「ご機嫌斜め?」と思い、話題を変えてインタビューを続けました。
その後、別のクルーに船長のバグパイプについて聞くと、「ロイヤル・クリッパーの船長は双子の弟だよ」との答え。兄弟で同じ会社の船の船長をしていたのです。「みんな間違えるんだよ」と笑いながら話すクルーに「どこで見分けるの?」と聞くと、「そうだな」と少し考えて、「バグパイプを吹くか吹かないかだね」と笑って答えました。
世界の船旅 2時間SP
「雄大な自然と北欧の華麗なる貴族文化 探検家たちの足跡をたどる 南極・北極 大冒険クルーズ」
脱走者あり!
南極をクルーズする「マリーナ・スベタエバ」には、ドイツのラジオ局スタッフが取材のため、女性タレントを連れて同乗していました。一行は船旅に慣れていないのか、悪天候に見舞われたドレーク海峡で船酔い状態。それでも南極大陸に近づいて海が穏やかになると元気を取り戻し、流氷に出会う頃には「こんな体験は二度とできない」と大はしゃぎでした。
ところが南極クルーズを堪能し帰路につく頃、女性タレントが体調を崩し、急きょ近くの観測基地から飛行機で搬送されることに。
心配する乗客を乗せた船は再びドレーク海峡を越え、出発地ウシュアイアに帰港。桟橋では件の女性タレントが大きく手を振っていました。スタッフも一安心、というところだったのですが、あまりにも元気すぎる彼女の姿に「もしかして仮病?」と思ったのは私だけではありませんでした。