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「世界の船旅」スタッフこぼれ話 - 2014年7月号


雑誌「クルーズ」に好評連載中の「世界の船旅」CRUISE誌上放映。
2014年5月27日発売の2014年7月号に掲載された内容をご紹介します。

 「世界の船旅」スタッフこぼれ話 2014年7月号

夜と朝の間に
koborebanashi_2014_07-img2a TV番組の制作では、一般の人に意図が理解されに くい撮影があります。船旅なら、夜の海がその最たるものでしょう。真っ暗で水 平線も見えないのですが、船の明かりに照らされる波 頭や、月を背景に船のファンネルが浮かび上がる映像 などは、一日の終わりや夜のイベントなどの時間を示すのに効果的なのです。

koborebanashi_2014_07-img2bこのクルーズでも夜の海の撮影中に、乗客の方が近づいて来て「なぜ真っ暗な海を撮るのか?」と聞かれました。理由を説明しても「時計を撮れば」とか「イベントの時間なんて誰でも知っているだろう」などと言われる始末。どうしてもわかってもらえないので、思わず苦しまぎれに発したのが、「闇があるから光がある!」というセリフ。

ところがその言葉で納得できたのか、その方は「なるほど」と言って帰っていきました。しかし、哲学的で気取った言葉を言った自分に恥ずかしくなり、その夜は眠れませんでした。

サムイ島の稼ぎ頭
koborebanashi_2014_07-img3a タイのサムイ島は、別名 「ココナツ・アイランド」。ヤシの実オイルなどの生産 で有名です。そしてこの島に無くてはならないのが、猿。高いヤシの木のてっぺんにある実を、なんと猿を使って取るのです。


koborebanashi_2014_07-img3b首ひもをつけた猿は、するすると木を登り、器用にヤシの実をねじ切って落とします。その見事なお手並みに見物客は拍手喝采。落とした実は皮をむいてオイルなどの加工品になります。多い時は一日500個も取るというガイドの話にも驚かされました。

ところが最も驚いたのは その後でした。落とした実をむくと、一つあたりドルの収入になるのです。つまり一日500ドル(約 万円)。月に約100〜万円を稼ぐ計算になり、一年で最大1800万円。実際には500個取れる日はまれで、それほどは稼げないそうですが、思わず転職を考えた瞬間でした。

「見覚えのある……」
 今回のテーマはもちろん、 初代飛鳥の面影探し。すっかりドイツ船となって昔の 面影は残っていないかも、と心配しながら乗船すると、あるわあるわ。

koborebanashi_2014_07-img4aレセプションの飛鳥マークや、画家・田村能里子氏の壁画。そして船首にあった「飛鳥」の文字が船内に飾られていました。注目は和室。床の間はそのままで、 観葉植物も和風のものですが、部屋の中央には卓球台が置かれていました。実は卓球はドイツでとても人気があり、レクリエーション用に置いているそうです。

koborebanashi_2014_07-img4b帰国後、そのシーンの撮影素材をチェックしていると、「どこかで見たような光景ね」と言われました。 確かに……と少し考えて気 が付きました。「温泉!」。 そう、懐かしい温泉旅館の娯楽室の雰囲気なのです。 日本人だから感じる感覚なのか、ドイツ人が狙ってこうしているのか。しばらく社内で議論が続きました。

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